「塗り壁のDIYサポート」の話です。
先週のことですが、年始のごあいさつで都内のお客様に電話をしました。
エンドユーザーさまから直接ナチュラワイズへのご依頼で
工務店さんを仲介することなく
カルクウォールで仕上げ施工をさせていただいた女性です。
私「その後、いかがですか?」
お客様「とにかくお部屋がさわやかで気持ちよくて、明るくて、
塗ったお部屋にいくのが楽しみなんです!」
昨年末に無事 引きわたしも完了したのですが、
暮れには風邪気味だったので、お元気そうな声でよかった~。
というわけで、ちょっと長いけどふりかえりを書きますね。
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今回、戸建ての内装4部屋の塗り替えリフォームをさせていただいたのですが、
なんと2部屋(6畳と8畳)はたったひとりでDIYした頑張り屋のお客様。
ナチュラワイズのスタッフは3部屋の天井と広い客間の壁を仕上げさせていただきました。
特筆すべくは、ご本人はシックハウスのアレルギーがあり、
[ しっくい塗り壁の機能・効能 ] におおいに期待しているということです。
なんでも、行きつけの美容室の壁が気に入っていて
お店の方に「スイスの漆喰ですよ~。」 と教えていただいたそう。
そしてメーカーさんを通じて弊社に紹介いただいたという次第です。
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下見のため、お宅訪問の日。
あらかた材料のご説明をすませたところで
あとは、自然な流れで身の上話をゆっくりきかせていただきました。
お客様 「実は、自宅介護でお母様を看取って、数年経ち
ようやく気持ちの整理がついたので
満を持して漆喰でお部屋を一新しようと決心したんです。」
私:確かに経年による傷みやよごれもありますが、
たいせつなご家族との思い出がたくさん残るお家、
きれいになって悲しみも癒されるといいな・・と思いました。
「床の絨毯、カーテン、電気、きれいさっぱり交換したい。
ほかの業者さんも入るので、どうしよう」 と相談され、
どのタイミングで左官工事するのがベストかをアドバイスさせていただきました。
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見積もりをお渡しするタイミングで
ご本人がショールームをごらんになりたいということで
葛飾のナチュラワイズまでおいでいただきました。
そして、自分でほんとうに塗れるのかを確認したいということで
2時間ほど塗り壁体験をしていただく。
まず、土壁塗りでウォーミングアップ練習です。
「むずかし~~」
少し、コツがつかめたところで今度はスイス漆喰に挑戦!。
生まれて初めてのコテにとまどいながらも最後には
ブラシ、櫛引き、木鏝などいくつかパターン仕上げもお試しいただき、
気分がのってきたようで「なんだかたのしいわ~~」
お客様「これなら自分で2部屋はがんばって仕上げられそう!」
私「楽しんでいただけてよかった・・でもお客様、差し出がましいようですが、
予算のことだけで決めるの・・実はDIYとてもキツイ作業です。
腕や肩が痛くなったり、途中で投げ出したくなることもあるはず。
だからこそ、今日の 『楽しい~!』 という最初の気持ちを大切にしてください。
そして、お部屋が綺麗になることで 『今の自分もいっしょに変わる』 という
ポジティブイメージを持ってがんばりましょうね!」
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見積り段階で何度かやりとりがあって、施主と職人との作業範囲も決定しました。
正式に発注書をいただきまして、
家の片付け(遺品の整理)が一段落したとのことで工事開始。
初日、職人さんと伺い ごあいさつ。
お客様には現場でもういちど
基本の養生から、塗り方のポイントまでを実地指導させていただきました。
この日は特別にですが、間に合わないといけないので、一面だけはいっしょに塗って納めました。
とにも角にもこれで覚悟は決まったようで、のこりはお客様がひとりでやる!という決意表明!。
必要分の材料と、貸し出し用の道具一式をお渡しして、
「がんばってください。」 と、エールを送り引き揚げました。
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一週間ほどでこちら職人さんの担当部分は完了しました。
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数日ごとにお電話させていただき 「材料は足りてますか?」 と確認し、
「腕や腰は痛くないですか~?」 と、お声掛け。
「無理しないでくださいね。もし、つらくなったら、いつでもお手伝いにうかがいますからね。」
そのたびに 「まだ大丈夫で~す!」 の元気な様子でした。
2週間ほどたったころ「終わりました~~!」 の明るい声。
私 「お客様、よかったですね!~~~!」
「では、2~3日乾燥期間をみて、伺います」 とお返事しました。
約束の日、いくつかアクが発生した箇所を徹底補修。
養生を剥がし、お掃除をして最後にお引渡し。
「すご~い。きれいになった~~!!」 とふたりで感激。
残った材料や、ごみ、レンタルの攪拌機やコテ道具を車に積み込んでいると
「お茶はいりましたよ~」
たったひと月ほどの工事のお付き合いでしたが、
ちょうど私と年代もおなじくらい、
私自身も両親を亡くしたことも重なり、お互い共感する部分があり、
私「ほんとに、お客様ひとりでよくここまでがんばりましたね!」
これは今回の塗り壁DIYのことというより、
それ以前のご両親の介護も含めての気持ちでした。
最後に、少しだけで良いと言うので補修用の材料をお渡ししました。
これからは、もしも、気になるところがあったらすぐに自分でなおせる!
これこそが、DIYを体験したひとの特権ですね。
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そして、冒頭にもどります
私「その後、いかがですか?」
お客様 「とにかくお部屋がさわやかで気持ちよくて、明るくて、
塗ったお部屋にいくのが楽しみなんです!」
私「それはなによりですね。」
お客様「それから、年末から働きに行ってます!
塗り壁のために体を動かしておいたので体がつらくないです。」
私「就職おめでとうございます。」
最後お会いしたとき風邪気味だとおっしゃっていたのが嘘の様に
すごく溌剌とした声。
こちらも元気をいただき、うれしいかぎりです。
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昨年から、八幡工業ではじめたエンドユーザー向けの
塗り壁DIYサポートの事業・ナチュラワイズの活動。
まだまだ、こちらも手探り状態ですが
こうして塗り壁という工事を通して、
お客様に一番近いところでお話したり、
ご意見や、ときにはお叱りを受けたり。
日々、勉強になることばかりです。
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≪ まとめ ≫
塗り壁によって、心身ともに元気になるって
なんだか神がかったように聞こえますが
【 住まいが人間の生活の基本 】
その空間がいかにストレス無く快適にすごせるかで
いろんなところでよい影響が出るというのは
当然といえば当然。
今後ますます、それに気づいた仲間が増えてくれることに
期待をこめ、長い文章をしめます。
「塗り壁のDIYはひとの暮らしを劇的に変える力がある。」というお話でした。
ありがとうございました。
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