モルタル造形
左官で魅せる 老舗割烹のリフォーム(中編)
神楽坂 割烹「め乃惣」さま
http://www.menosou.com/
表通りから石畳の路地を少しを入ったところ
目抜き通りの喧騒から離れ 落ち着いた佇まいの老舗店です。
大規模改修工事を八幡工業がメインで担当させていただき
2017年3月1日よりグランドオープンしました。
おもて構えについては前編にてくわしくお伝えしました。
http://www.yawata-sakan.com/blog/?p=14547
今回は店内の様子をご案内しましょう。
カウンターでお出迎えしてくださったのは
女将さんと厨房をあずかる二代目である息子の萩原淳二さん
入口からすぐに目につく額装の色紙
大女優 水谷八重子さんの書
さて、ホームページの説明によると「め乃惣(めのそう)」の名は
明治の文豪 [泉鏡花]の代表作「婦系図(おんなけいず)」に
登場する江戸前の魚屋「め乃惣」に由来するという由緒正しい店。
この小説のモデルとなったのが初代・萩原徳次郎さん
泉鏡花先生に義侠と料理を愛され、神楽坂に料亭「うお徳」を創業。
現在の店主・萩原哲雄さんは実はこの歴史のある料亭「うを徳」の次男で
現在「うお徳」は長男があとを継いでいて、ここ「め乃惣」は昭和51年に開店。
昭和51年、当時神楽坂は、黒堀の料亭全盛期であり、
カウンター割烹が無い時代でした。
いちげんさんお断りの「うお徳」の料亭の味をカウンターで
気軽に味わって頂きたい思いから、うを徳の支店として
小割烹めの惣が開店いたしました。
うを徳 二男、萩原哲雄さんが平成10年に独立したさいに
店名を[め乃惣]に改名。
そして平成10年5月、萩原哲雄さんはテレビ番組[料理の鉄人]に挑戦。
そこで見事勝利を収め[め乃惣]としての船出を飾りました。
その時、メニューに取り入れた[海老しんじょ]は、
今でも絶大な支持を得ております。
いやはや、このような名店のおよそ15年目の改装を任せられ
左官屋の腕がなります。どころかちょっとビビります。
でも、料理の味に負けないよう、塗り壁・天井・土間仕上げと
持てる技術をフルに活用してがんばりました。
木曽ヒノキの分厚い一枚板カウンター
この下がり壁は 『版築クレド』
突き固めて作る版築ではなく、版築のテクスチャーを鏝塗りで再現する
版築風の左官仕上げです。主成分は天然真砂土と京サビ土
あらかじめバッカ―材で仕切りを作り
4段階にわけて塗り付けていき、徐々に顔料が濃い材料が
グラデーションになるように計算して仕上げました。
八幡社長も参加して、掻き落とし仕上げ。
しかも鎧状におよそ10ミリの段差がついていくという緻密な作業です。
中央を飾るのは サプライズプレゼント
店名[め乃惣]の文字が浮き上がった モルタル造形の擬木
木目は八幡専務が担当
一日かけてじっくりと木目を刻み、彫刻しました。
造形完了後、エイジング塗装を施します。
そして、緻密な作業が大好物‼? の 長塚主任が
一文字ずつ心を込めて 漆喰で白く盛り上げていきます。
・・・・・・・・・・・・・・
いかがでした。
みどころはまだまだたくさん。
厨房・個室の漆喰、そして床の特殊仕上げとつづきます。
この様子は、次回ご案内することとしましょう。
左官で魅せる 老舗割烹のリフォーム(前編)
3月1日よりグランドオープンしました
神楽坂 割烹「め乃惣」さま
http://www.menosou.com/
大規模改修工事の監督を八幡工業がメインで担当させていただき
2月のひとつきを様々な業種の皆さんとともに施工させていただきました。
かかわったみなさま、大工さん、電気屋さん、水道屋さん、
ガス屋さん、塗装屋さん、タイル屋さん、植木屋さん
そして弊社・左官 皆様 ありがとうございました。
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表通りから石畳の路地を少しを入ったところ
目抜き通りの喧騒から離れ 落ち着いた佇まいの老舗店です。
さて、今回は左官屋目線でご紹介させていただこうと思います。
まず目に飛び込んでくるのは真っ白な暖簾
その暖簾の下にひっそりと ある「置き行燈」に注目
これは、京都の城陽砂・真砂土に藁と白セメントを合わせ
版築状に色分けして固めたのち掻き落とし仕上げした
オリジナル左官仕上げの行燈なのです。
雨に濡れるとしっとり濡れ色になってこれまた風情があります。
中ではロウソクの炎が風で ゆらめいています。
(実はLEDの特殊照明でゆらめくタイプの製品を組み込んだ作品です)
掻き落とし仕上げをしている様子
・・*・・*・・*・・
そして、その隣には格式のある日本料理のお店になくてはならない
そう、「坪庭」です。
坪庭には、「つくばい」 が必要です。
なので、左官で作っちゃいました。
存在感ある手水鉢風、木のオブジェ(モルタル造形)が鎮座する
板囲いの塀で区切った半畳ほどの空間。
打ち水をすると、こんなしっとりとした構えになります。
・・*・・*・・*・・
庭には苔をいけ込み、玉砂利を敷き込み、紅葉が植えられました。
壁は 置き行燈と同じ京都の城陽砂・真砂土に藁と白セメントを合わせ
温かみのある塗り壁に仕上げました。
木のオブジェは造形担当がモルタル彫刻を完成、
その後 ペイントチームがエイジング塗装仕上げをしている様子
路地の片隅に「わび・さび」が感じられるよう
少し古びた風合いにエイジング塗装しています。
・・*・・*・・*・・
この木のオブジェ(モルタル造形)を上から見ると
なんと、切株の中は水をたたえた手水鉢になっています。
切り株の中からはほのかな明かりとともにポコポコと水が湧き出ています
あふれた滝の渓流は 涼やかな金属質の響きを奏でながら
洞から根の方に吸い込まれていきます。
⇒ こちらで動画が再生できます。
水の音もお聞きください。 menoso
本物の石と植物、モルタルの特殊造形でつくられた
オリジナルの擬木+水琴窟による音と明かりは
ミスティーでしっとりとした癒しの庭を演出します。
いかがです、お店の中もご覧になりたいでしょ。
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店内の様子は、次回じっくりと
ご案内することとしましょう。
第21回プロセミナー「左官と漆喰」を学ぶ集い を開催しました
こんにちは ナチュラワイズの清水です
2017年3月29日(火)に 建築に関わるプロ向けの講習会
第21回 プロセミナー「左官と漆喰」を学ぶ集い を開催いたしました。
https://www.naturalwall.jp/event
イケダコーポレーションさまと共催しているこの企画、
今回は 工務店・リフォーム会社・不動産管理会社など5社
女性4名、男性4名さまのご参加をいただきました
寒い中 お集まりいただきありがとうございました
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まずは参加したみなさまに、実際に漆喰の壁をご覧いただくため、
施設内のショールームやカフェのみどころをご案内いたします
この日はとても冷たい風が吹いていましたが、皆さん寒さも忘れて
外壁にほどこした大きな看板の左官仕上げに釘づけです
正面右側の壁にある擬木造形の説明に「うわ~素敵~」と感嘆の声!
左側の造形彫刻には「本物の石にしか見えない~」と驚きの声!
カフェサンワイズに移動してまたまた写真撮影 ♪
白が基調の素敵なカフェに皆さんうっとりw
ランチタイムはこちらのお部屋を貸し切りで楽しんでいただきます。
ショールームに移動した時にはもうシャッターの連射と質問の嵐でした♪
たくさんの塗り見本
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講習会
第1部「塗壁と漆喰の基礎知識」
第 2部「施工の注意点 徹底講座」
イケダコーポレーションの高橋さんと八幡工業・齋藤とのかけあいで
およそ2時間みっちりと左官材料の説明やトラブルに備えた施工方法など
勉強していただきました。
途中ティータイムを設けながら進んで行きます
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おまちかねランチタイム!
皆さまには隣接するカフェサンワイズに移動して
1時間のランチを楽しんでいただきました♪
その間に、スタッフ一同 次の塗り壁体験の準備をすませ
カフェサンワイズの特製ポークカツレツ弁当をもりもりいただきました♪
もうほっぺがおちそうなくらいおいしいお弁当でした!
スタッフ弁当がこんなに美味しいのだから、
講習会に参加の皆様はどんな豪華ランチなんでしょうね?
写真撮られた人がいらっしゃったら是非投稿お待ちしております♪
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第3部 塗り壁体験会 (養生)
ようやく塗り壁と思いきやまずは養生から始めていただきます
皆さん真剣ですね
これを覚えておくと、左官でもペンキでも何でも出来るようになるので
しっかり身に付けて下さいね
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塗り壁体験会 (コテ返し)
ようやく漆喰の体験会です!
でも、ちょっと待って! まずは壁塗りの前に道具の扱い方の練習です
「コテ返し」とは
コテ板の上に乗せた漆喰を握った鏝でサッとすくい上げる技のこと
中々鏝の上に乗せられずに悪戦苦闘する人や、
ひょいひょい乗せてしまう人とか、さまざまでした
(大変ながらも皆さん笑顔でとても楽しそうですね)
塗り壁体験会 (壁塗り)
ようやく壁塗り!です
思いのままに壁にスイス漆喰(カルクウォール)を塗っていただきました
(まずは細かいことは抜きに塗っていただき、
鏝に慣れてきた頃に難しい角の塗り方を教わります)
皆さま真剣ですね
最後は 刷毛、櫛、木鏝、ローラーなどの仕上げ道具を使って
思い思いの仕上げパターンを楽しんでいらっしゃいました
寒い中でのセミナーお疲れまでした
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2ヶ月に一回のこちらの講習会、
次回は5月24日(水)開催予定です
詳細がきまりました、またイベントページにご案内をのせます
また何度でもナチュラワイズに遊びに来てくださいね♪
スタッフ一同こころよりお待ちしています.
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●場所 八幡工業ショールーム 「Natura Y’s」
●参加費 ランチつきで 3000円(おひとり様)
●募集定員 10名様 (先着順でしめきりとなります)
お申し込み、お問い合わせはイケダコーポレーションさまへ
メール:info@iskcorp.com からどうぞ
*ナチュラワイズの紹介とお伝えください。
なお、人気企画のため、お早めのお申し込みをお願いします
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プロ向けの講習以外にも、一般のお客さま向けの塗り壁体験も実地しております
興味のある方はこちらをご覧下さい → https://www.naturalwall.jp/workshop
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最後までご覧いただきましてありがとうございました
2016 今年もお世話になりました。
八幡工業 ・ ナチュラワイズは
2017年 1月7日より 通常営業開始です。
新年もお引き立てのほど、よろしくお願いいたします。
おかげさまで一年の締めくくりとして 社員スタッフの忘年会をさせていただきました。
「無事故で安全に!!」を誓い、より一層皆様に喜んでいただけるよう頑張ります。
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さて、2016年の八幡工業を振り返るといろいろありました。
「左官」と「漆喰」を学ぶ集いというプロ向けセミナーは20回を迎え
そこからつながったご縁でいくつかの工務店さまのショールームや住宅の施工を
お手伝いさせていただく御縁をいただきました。
カフェサンワイズ、ショールーム・ナチュラワイズが
共同企画でワークショップを行ったことも思い出深いです。
塗り壁体験は来年もお申込み受付しています。
https://www.naturalwall.jp/workshop
おかげさまでテレビの取材も数件いただき
塗り壁体験と カフェの美味しいランチはレポーターさんにも好評をいただきました。
EAR KISS来店!とっても かわいいアイドルさんでした。
https://www.naturalwall.jp/?p=2933
住宅・店舗・新築・リフォームとあわせ450件以上もの案件に
内外左官および外構工事で携わらせていただきました。
なかでも、造形性あふれる特殊左官作業を提案する機会にも恵まれ
塗り壁 + 造形作業におおいに腕を振るった一年でもありました。
来年も 八幡工業、カフェサンワイズ、ショールーム・ナチュラワイズ
職人、スタッフともどうよろしくお引き立てのほどお願いいたします。
左官屋がお風呂をつくるとこうなる(後編)
ラグジュアリーなベッドルームの窓から見えるのは
滝の流れる せせらぎのあるガーデンルーム。
これが2階の バルコニー って信じられます?
※ 完成記念
今回の施主M様(左)と 工事を担当した八幡専務です。
というわけで、八幡工業の左官&造形&特殊塗装チームによる
葛飾の個人宅、浴室 リフォームの後編です。
前編は こちら https://www.naturalwall.jp/?p=3247
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● 工事前 ビフォアー
壁面はタイル貼りの バルコニーでした。
完成予定は、がらっと変わり 大理石調マーブルの石層になります。
壁の前にまずは床工事から。
既存の床を石張りにするため カチオンを塗って下地作り。
ブロックを並べていきます。
施主様のデザイン:花壇のなかに流れる川のせせらぎのイメージ。
今回の工事では 建築関係のお仕事をされている
施主様も自ら参加しておおいに腕を振るってくださいました。
壁面にはラス網をとりつけ、モルタルで下地作り。
白セメントで中塗りをとります。
花壇には防水処理を施します。
そしてこのコーナーには
なにやら石のオブジェ
ブロックから石積み調に造形して+ベースの着色をしています。
並行してアーチも石積みに造形。
本当に積んだようにしか見えませんね。
あら、いつの間にか壁の特殊造形モルタル仕上げが終わり
造形チームから ペイントチームによる
エイジング塗装仕上げに入っています。
今回の特殊塗装は3名のベテランガールズチームが担当。
壁はサハラの地層のような大理石調のマーブル仕上げ、
アーチは固そうな カラフルな自然石調 石積み。
この塗装班のチームワークの面白いところ!
時折、ひとりが塗った箇所を別のひとが塗り足したり・・・
かと思えば大胆に大きくグラデーションをかけたり・・・
お互いの完成で刺激し合いながら完成を目指していきます。
しかし、よくケンカしないで仲良くできるものだと感心しました(笑)。
ジャジャ~ン、完成しました!!
床の石の色合いとの調和もいいですね。
アーチのわきのコーナーの石
実は 滝なんです。
上の滝口から湧き水が石のすき間を伝い
ちょろちょろと音をたて流れていくさまが
なんとも 心地よいです。
花壇の感じ
施主様お気に入りこの角度、壁と植物。
わ~破裂しそう!!
こんなお茶目な蛇口も!!!
奥のジャグジーでゆったりお湯に浸かったあとは
こちらで空中庭園をながめながらシャンパンをいただく。
あ~~うらやましい限りのドリームバスです。
創造性にあふれた 楽しさいっぱいの
造形+左官の現場の施工例のご紹介でした。
左官屋がお風呂をつくるとこうなる(前編)
八幡工業の左官&造形&特殊塗装チームによる
葛飾の個人宅、浴室 リフォームがどうどう完成しました。
つくったのは、ジャグジーバスのある空間です。
うわ~~泡立ってますね~~~
ここにザブ~~ンと浸かったら、さぞかし気持ちイイでしょうね~~~
ハリウッド映画のように、シャンパンが似合います。
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さて、ビフォアーです。
これが 工事前、FRPのバスタブを設置した状態です。
そして アフター!!
そう、バスタブごと まるっと つるっと
左官材料でくるんで仕上げたのです。
しかも 窓からお隣の屋根が見える、ここは2階なのです。
さて、後ろに見えるオブジェは
施主の大好きな趣味「フィッシイング」のイメージ
(実は、パイプと設備配線等を隠すためのスペースなのです)
「釣り針と魚と波」
をかたどったオリジナルデザインにさせていただきました。
カメラににっこりしているのが デザインした吉彦専務です。
(オーナーにお誘いを受け、いっしょに釣り船で海釣りに
いったときの思い出を込めたそうです。)
製作中の様子をちらっと紹介
まわりはブロックを積み、ベースをつくりました。
このあとモルタルを塗り付け成型します。
そこに 「タラソミックス」 をバリ島の伝統左官工法で仕上げ
ひたすら磨き続けます。
そうすると、このようにまるで大理石の肌のようにつるすべになって、
なめらかで優しい質感はとても女性的な印象です。
湯船につかって腕を伸ばした時のなんともここちよい感触になるのです。
※最後に専用のトップコートをかけて表面をしっかり保護
…………………………
「タラソミックス」
水回りに使える タラソミックスの研ぎ出し仕上げ材料。
海洋性のエネルギーを持つ珊瑚や貝殻と
トラバーチン系の素材のナチュラルな左官材です。
詳しい情報は 販売代理店 ファンガレージの特設ページをご覧ください。
https://fungarage-thalassomix.storeinfo.jp/
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後半は、これだけじゃない
ジャングルクルーズ気分になれる!!!???
リゾートのテラス をご紹介します。
ラグジュアリーなベッドルームの窓から見えるのは
滝の流れる せせらぎのあるガーデンルーム。
これが2階の バルコニー って信じられます?
というわけで、次回もどうぞお楽しみに。
後半 ⇒ https://www.naturalwall.jp/?p=3248
まるで地中海な白壁のレストラン「フォーカス」
再開発中の田町駅東口
ここに、地中海風な白壁と大きな丸窓が印象的な
レストラン「フォーカス」さんが2016年 11月 OPEN しました。
店内の壁・天井は地中海風な白壁に施工させていただきました。
すべてスイス漆喰「カルクウォール」による左官仕上げ。
施主の指示は優しさと柔らかさを出してほしいということで
各所は可能な限り曲線のみで構成されています。
このように、照明も壁と一体化してまあるく塗り込みました。
担当した職人さんによると
施主様の注文は、「きれいにしすぎてはダメ!」
こういった局面仕上げの場合
通常はRにあわせた鏝をいくつか用意して
つるつるきれいに仕上げるところ
今回のリクエストは「ラフタッチが大好き」ということ。
ですので初心者の方が初めて鏝をにぎって塗ったような
「フリーハンドながらも一定のリズムで全体を納めていく」
のに苦心したそうです。
トイレのなかのここだけ!
「赤い壁にしてほしい。」
でお答えしたのがこのビビッドな
天然顔料によるルージュ(rouge)磨き仕上げです。
・・・・・・・・・・・・・
【 おまけ 】
さて、最後に左官屋目線の種明かしです。
実はこのお店 リフォーム物件だったのでした。
躯体面、コンパネ下地、GLはがし、ブロック、石膏ボード
・・・とあらゆる種類の下地をひとつにまとめるのが
今回の左官工事のもう一つの課題でした。
※ Before 工事前 R部分の軽量鉄骨に注目。
※ After この変身っぷり、すごいでしょ(笑)
※ Before 工事前 こんな下地でも・・・
※After このようなうっとりするような
きれいな仕上がりになるんですね。
もちろん大工さんも下地作りでご苦労されたかと思いますが
左官の技術力を取り入れることで
このように不可能かも・・・が可能になります!
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【 店舗情報 】
グランドカフェ&パブ「フォーカス」
港区芝浦3-2-29
03-6809-6300
11:30~23:00
自然素材・天然漆喰で囲まれた空気のきれいな空間は
さぞかし お料理やお酒の味も格別なことでしょう。
おひとりでも友人やご家族と一緒でも
それぞれに楽しくくつろげそうな雰囲気ですね。
お近くにお越しの際にはぜひお立ち寄りください。
ランチ(テイクアウト1,080円~/イートイン1,750円~)
ティータイム(ケーキセット1,080円~)
ディナー(フード760円~、ビール650円~)
グランドカフェ&パブ「フォーカス」
地層の壁を左官でつくる
依頼された完成イメージ図
これは、2016年10月に東京都墨田区内に完成する
株式会社 丸昭 (MARUSHO LTD.) さまの
新社屋の顔となるエントランスのおおきな壁です。
上部はアースカラーの地層を切り取ったかのような壁、
下のガラスのショーケースには皮革製品の商品が陳列されるというもの。
施工に先立ってサンプルを作成します。
50㎝角の見本を何種類かお作りし、
微妙な テクスチャーのニュアンスや色合いを確認していただきます。
造形班が作成したのち、塗装担当が色をつけるという手のかかったサンプルです。
方向性が定まったところで施工。
まずは、コンクリート躯体面に 墨打ち
プライマーで下地処理を施したのち
発泡スチロールの切り文字を貼り付け
文字の高さまで造形用モルタルを塗ります。
塗り付けが終わったところで、地層を成型していきます。
文字の周りは特に慎重に彫刻していきます。
モルタルがしっかり乾燥したのを確認して
切り文字は取り除きます。
ここまでが左官のしごと
ここからは エイジング塗装の専門家にバトンを渡します。
刷毛で色を塗っては滲ませ、ぼかし、また塗ってを何度もくりかえし
全体のバランスを確認しながら整えていく、センスと根気のいる仕事です。
そして
エイジング塗装が仕上がりました。
後日、ショーケースが取り付けられたと聞き
あらためて完成写真を撮影に伺いました。
あたかも元々そこに石があり、石工職人が鑿(のみ)とハンマーで彫ったような壁
照明に浮かび上がった文字が重厚なサインとなっています。
株式会社 丸昭 (MARUSHO LTD.)
http://www.hikakuseizo-marusho.co.jp/
保育園の擬木の手洗い場が完成
葛飾区内の保育園からご依頼の
八幡工業ならではの 「左官の技術」 で施工させていただいた
園庭のあたらしい手洗い場が完成しました。
リアルな擬木の造形と、自然素材の鏝塗りで仕上げられた手洗い。
白い壁に埋め込まれた色ガラスは園児と先生の共同作です。
洗い場は 大小2面あって
おおきな方は シャワーヘッド付きの足洗い場
土遊び、砂遊びを存分に楽しんだこどもたち
ここで足を洗ったら、そのまま裸足でウッドデッキ から教室に入れる仕様です。
デザインと現場管理は
葛飾・四ツ木にある オーケイホームズの向山さん
そしてこちらの面は手洗い専用
どうです!!
子どもたち、手洗い、足洗いが 大好きになることでしょう~ ♪♪
見せ場jは たちあがり部分の枕木をかたどった
木調のモルタル造形。
錆びかかった金属のビスももちろん造形。
本物以上に「木」 、なのに腐らない、反らない、丈夫で長持ちです。
縦に打ち込まれた 鎹 (かすがい)
金属製で 「コ」 の字の形の釘が リアルです。
工事はこのようにコンクリートブロックを立てるところから始まりました。
左官は下地から仕上げまで、長塚主任が責任施工させていただきました。
事前に設備屋さんが 水道の工事、排水管の敷設などやってくれています。
出っ張り角のないカーブが こどもたちにやさしいデザインです。
ブロックの上からモルタルで中塗りをしました。
床部分の排水がスムーズにながれるように
目皿(排水溝)にむかって水勾配をとっているところ。
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仕上げは バリの砂タラソと白セメントをミックスした
材料で鏝塗り仕上げ。
仕上げの日
台風がいくつも日本を上陸し、ようやく晴れた日を待ちました。
この日は2人がかり、現場調合していっきに仕上げます。
ひとりがシーラーを塗りながら、少しずつ塗り付け
もうひとりが乾き具合をみながら鏝でおさえていきます。
そして、メインイベント!!!!
完全に乾ききる前に
先生とこどもたち参加による 色ガラスの埋め込み作業。
順番待ちで20人ほどのお子さんたちが参加してくれました。
みんな、じょうずに入れられました。
最後は先生たち総出で仕上げていただき、みんな夢中になっていました。
後日、しっかり乾燥したのち 機械で研ぎ出すと
花火が浮かび上がってきました ♪
撥水材でトップコートをかけてフィニッシュ。
白いタラソの壁には シランコートを浸透させ
造形のモルタル着色面にはAGクリアーを塗布。
そして完成ひきわたし
『 いつまでも、こどもたちの記憶に残る 洗い場になりました。』
と、園長先生、たいへん喜んでくださいました。
こちらこそ、特別仕立てな 「べっぴんさん !」 に携わらせていただき
ありがとうございました。
※ べっぴん 「 別品」 「普通の品物とは違う特別なもの」 の意味
しっくい塗り壁リフォームでお幸せに!(+造形編)
いきなりですが、完成写真です。
ビニールクロスはしっくい壁になり、
カウンターを囲む壁は造形で石積みをワンポイントプラス。
白壁には神棚が祀られて、じつに神々しいまでのリビングになっています。
今回ご紹介させていただきますは 地元・葛飾のマンションに暮らす
ご夫婦とお子様ひとりのK様ファミリーのリフォーム事例。
2 回に わけてお伝えします。
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2016年夏、
購入した中古マンションのリフォームのご相談をしに
ナチュラワイズにお越しいただきました。
ご夫婦はふたりともDIYが大好き! ということで
うまく塗れたら引っ越しまえに工事したいのです、と。
まずは塗り壁体験をしてみたいとご予約いただきました。
この日は、スイス漆喰と日本の漆喰
両方を比較したいというご希望で塗り壁体験に挑戦。
何種類か試し塗りをして
最終的に村樫の 「マリンライム」 という漆喰に決定しました。
仕上がりの肌触りとマットな質感がよく
国産の漆喰を使いたいという希望が決め手になりました。
なぜ漆喰にこだわるのですか?
と 理由をうかがうと、
実は、・・・・ 2歳のお子様は赤ちゃんのときから少しお体が弱く、
元気なときには保育園に行くのを楽しみにしているのですが、
ときおりお医者様に通院しなくてはいけない日もあるというお話。
そんな子供さんが少しでも快適に暮らせるように
しっくいの機能でお部屋を快適・安全な環境にしてあげたいのだという。
また、奥様のアレルギー体質の改善も期待しているとのことでした。
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工事の概要を整理すると
1. 家族で過ごす時間が多いリビングダイニングの壁と天井を漆喰にしたい。
2. 古い洗面台を撤去して コンパクトタイプの流し台に変えたい。
そして洗濯機を並べて使いたい。
3. 便所と洗面所の仕切りをなくして、ドアなしで広々と使える脱衣場にしたい。
トイレをタンクレスのウォシュレットにして、今のトイレドア部分は収納にしたい。
これらに伴う、大工および電気・水道工事をコーディネートしてください。
・・・・・ というもの。
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後日、大工さん、電気屋さんとともに 実際に現場でお打合せさせていただきました。
課題、このおおきな洗面台を処分したら、洗濯機を設置できるのか。
課題、トイレの使い方を今とまったくちがう形にシフトできるのか。
課題、奥の躯体面はクロスをうまくきれいにはがせるのか。
課題、このカウンターの石調 壁紙のインパクトをどうしたものか・・。
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お施主様は 、ナチュラワイズのショールームの
漆喰の仕上がり感、造形の面白さにも注目してくださっていたので
このカウンターは思い切って石を積み重ねた造形にしてはいかがでしょうか。
たとえば こんな雰囲気ではいかがでしょうか。
・・・ と思い切ってご提案させていただいたところ
「 わ~~ おもしろそう。 ぜひやってみてください。たのしみにしています。」
では、期待に応えてもらうべく ナチュラワイズの造形チームの登場。
モルタル彫刻 といえば! 長塚主任の登場です!!
いきなりフリーハンドでザクザクと下絵
あとから相方・田原亜沙子さんが盛り上げていきます。
そして形を整え、ひとつひとつの石の模様、テクスチャーをアレンジしていきます。
長塚主任は若いころ、造園の仕事についていたので
そのころの知識と経験をいかして、自然の息吹を吹き込んでいきます。
川原で水に洗われ角がとれた、丸石積みのやさしい感じがいいですね~~
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
乾燥期間をおいたのち、ぺインターチームにバトンタッチ。
カフェ サンワイズのかわいいペイントでもおなじみの
特殊塗装専門の奈々さんが色付けしてきます。
今回は 漆喰の白い空間にあわせ
全体にトーンは明るめの白石にしてもらいました。
色がのったところで乾燥させ、全面にトップコートをかけます。
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絞り器にいれた材料を ギュ~
目地を詰めてたら、品よくならして ようやく完成です。
今回は、ここまで。
本物の石を使ったら 材料費・運搬費 もさることながら
職人さんの人数、日数もかかるところ
モルタル特殊造形を活用することで、
コストを抑えつつも希望のイメージに作ることができるのです。
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次回このつづきの、洗面所 と トイレのこと
そしてお施主様も ご協力・参加していただいた
漆喰壁仕上げ編となります。
https://www.naturalwall.jp/?p=3174
こちらもあわせてご覧ください。
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