ゼロから始める左官手帖
スイス漆喰DIYサポート in 江戸川(前編)
ナチュラワイズの斎藤です。
この日、DIYサポートでお伺いしたのは江戸川区のK様 ご夫妻のマンションのお部屋。
スイス漆喰カルクウォール (骨材0.5ミリタイプ 無着色:白)
左官のプロ立ち合い指導の下、自分たちで鏝塗り仕上げをした壁
家族 みんなで がんばって塗った 世界で一枚の「しっくい」のデザイン壁。
安全で安心な塗り壁材料に 包まれた 居心地の良い空間が出来上がりました。
さて、このお話しは 半年前にさかのぼります。
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施行前の様子
*お客様から送っていただいた写真です。
新築から10年経って、ビニールクロスの汚れと傷が目立ってきたので
漆喰できれいに塗りかえたいというご要望です。
実は、2匹の飼い猫ちゃんたちが、ひっかいた傷のダメージがけっこうあるようです。
*のちほど、被害状況(笑)の写真でてきます。
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DIY という選択肢も含め、ご夫婦で話し合った結果
「面白そう。自分たちで やってみようかな」
と、 ナチュラワイズの塗り壁ワークショップに 昨年秋ご参加いただきました。
漆喰塗りワークショップでは、プロの左官職人がインストラクターとしてご指導します。
「養生」「下塗り」「仕上げ塗り」そして「パターン付け」までを
およそ2時間の中でひととおり実践していただきます。
「鏝返し(こてがえし)」がかっこよく決まりまったところ!
*20分くらい練習してコツをつかんでいただきます。
コテ板(塗り板)の上に載せた 材料を鏝でサクッとすくいとる、これが左官の第一歩です。
この日は、「楽しかったね~~」と言ってお帰りになりました。
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後日、ご連絡があり
「いきなり リビングはハードルが高いので
まずは、練習がてら玄関前の壁で腕試ししてみます! 」
ということで、材料購入&レンタル用の道具一式をお届けしました。
そこから数週間の後・・・・・
施主「やっと、できました~」
斎藤「お~やりきりましたね。よくがんばりましたね。」
クロスは全部剥がしていただきました。
シーラーを塗ってからミネラル下地材をローラー塗布
しっかり下塗りして からの丁寧な上塗り。
カルクウォールの骨材がうまい具合にランダムな模様となって、
ライトが当たると、手作りのいい味わいがひろがっています。
(天井はクロスのままです)
ここまで2021年の年末のご報告でした。
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そして、年が明けて 2022年 春 3月
コロナの蔓延防止措置が解除されたのを受け、
第2弾、リビングの塗り替え計画のご相談メールをいただきました。
あらためて、今回は施工のサポートをお願いしたいです。
過去のブログも拝見しながら、難しい箇所以外を自分たちでやろうかと検討中です。
壁紙を剥がさず、壁の破損処理等、養生、下塗り、本塗りの難しい箇所を
サポートしていただけるとうれしいです。
お見積りは、以下の条件でお作りしました。
壁面積は 30㎡。
1. クロスを剥がさない (前回 めちゃくちゃ大変だったから)
➡ タッカーで留める
2. アク止めシーラーは使いたくない(匂いが気になるので)
➡ あらかじめ洗剤でクロスの汚れを洗浄しておいていただく
3. アクが出た場合は 漆喰塗料 ファルベで塗る
4. DIYサポートは 初日の下処理までと、翌週の仕上げ塗りの都合2回
了承していただけたので、日程を調整して 斎藤がお伺いしました。
*施工前
「(ぱっと見は)きれいじゃないですか。」
前日に 洗剤でビニールクロスの汚れをゴシゴシ拭き掃除してくださったようで
これなら 漆喰を塗ったあと「アク」が出ないかもしれません。
つぎに、目に飛び込んできたのは 壁の傷!!!!
*噂の猫ちゃんによる「引っ搔き傷」!
あらあら・・・、あちらこちら腰から下あたりの壁がボロボロ・・・
建具の木枠も ガッツリ被害にあっていました(泣)
犯人は、おぬしか。(逃げられました・・・)
爪とぎ用具を おいていて試したけど ダメだったようです。
どうやら、壁でガリガリやるほうが気持ち良いみたいですね。
あんまりひどいところは 部分的にカッターを入れて 剥がしちゃいましょう。
それ以外の 壁は タッカーで留めます。
ステンレスの針を使います。
漆喰はアルカリ成分が強いので 鉄の針だと錆が出て 赤くなってしまいます。
最初、お手本をお見せして 奥様にもやっていただきます。
ご主人様には高いところを担当してもらいました。
ハンマータッカーという道具で針を打ち込んでから、出っ張った部分を トンカチで叩いておきます。
あとで、鏝で塗るときに 針が飛び出していると 引っかかってうまく塗れないからです。
順番が前後しますが、
まず みんなで床の養生をしています。
プラベニヤを敷いたのち ブルーシート養生を重ね貼りしています。
それから、ドア、木枠、エアコンなど汚れて困る部分はマスカーで覆います。
養生・タッカー留めが終わったら、ミネラル下地材を塗っていきます。
塗料のようにローラーでスイスイ塗れます。
15㎏入りでおよそ50㎡分塗ることが出来ます。
奥様が、刷毛で細かいところや、ドア枠際を先行して塗っていただき、
ご主人様がローラーで全体を塗ります。とても 良い連携です。
お部屋全体が塗り終わったところで、今日はここまで。
下地材が乾くまで半日は壁に触らないように気を付けてください。
次回も、おなじくDIYサポート付きで
「スイス漆喰の仕上げ塗り」を行います。
DIYサポートのお問い合わせは コチラ 👇 まで。
https://www.naturalwall.jp/form/
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* 完成後のいい感じの写真をチラッと予告。
では、また来週。
スイス漆喰DIYサポート in 葛飾(後編)👇
https://www.naturalwall.jp/blog/other/4691.html
夜間搬入&下地処理の日
ゼロから始める左官手帖
おひさしぶりです 玉置です。
夜9時からとある大型百貨店に土間の機材・資材を搬入して
掃除をしてシーラーを塗ってくる。
何かよくわかりませんがそんな仕事をすることになりました。
この日のメンバーは斎藤典之さん・笹野哲男さん・私の三名でした。
夜に蠢く怪しげな人影・・・・・・いえいえみんな真面目に働いています。
夜間でもたくさんの人が行き来する通用口を通って現場確認、
その後翌日使う砂とセメントをバイトの方々に運び入れてもらいます。
掘り起こされた地面のゴミ(チリや土の破片、石、ビスなど)を掃除します。
大まかにを掃いてから細かいものを掃除機で取りつつ異物は手で拾いました。
掃除機と私。
写真を撮られている時に大工さんに「何の写真?」と聞かれたりしました。
「ブログです」と答えると一層不思議そうな顔をしていました。
掃除が終わったそばから哲男さんが接着剤シーラーを塗り広げます。
斎藤さんは掃除とシーラーどちらもこなしていました。
その間に運び込まれたのは8立米、砂480袋とセメント160袋。
6人がかりで一気に運び上げ、翌日に使う水まで汲んできてくれました。
力自慢の方々は心強いですね。
我々でシーラー床を白くして土間屋さんに託します。
この日は夜1時過ぎに作業終了、哲男さんと私は家の近くまで送ってもらい
斎藤さんはダンプで直帰しました。
秋の夜長にたくさんの人々が働く現場も
たまにはあり・・・・・・かな?
ゼロから始める左官手帖 (その1)
【 左官とは …… 調べてみた。】2018.7.7
新人である私、玉置(たまき)が左官についてあれこれ考えたことを
記したい企画。題して「ゼロから始まる左官手帖」、第一回の投稿になります。
たくさん連載できるように頑張ります、応援よろしく!
手始めに色々辞書で調べたことを記事にしてみたいと思います。
まず八幡工業は左官屋さんです。左官ってどんなものでしょうか?
私のイメージはなにやら先のとがった板でスーッと隙間を埋めている人でした。
広辞苑には「壁を塗る職人、かべぬり。壁大工。泥工。しゃかん。」 とあります。
奈良時代の律令制時代に宮中の修理をしていた役職が木工寮の属(さかんとよむ)
であったどころからきているようですが、それはさておき。
「壁を塗る職人」と短くまとめられているのでせっかくだから職人も調べてみました。
すると「手先の技術によって物を製作することを職業とする人」と出ます。
合わせると「塗る技術によって壁を製作することを職業とする人」
といったところでしょうか。
意味がわからない? 確かにそうかもしれません。
しかし言い得て妙だなと私は感じました。
ん~~む、左官。。。奥が深いです。
次回も調べたことを記事にします。
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